NTT-ATエムタック株式会社

【千葉県流山市】「HOUSAS」導入で業務革新とスキルアップを実現

千葉県流山市

面積35.32㎢、人口約21万3,200人。 千葉県北西部に位置し、都心へのアクセスが良く、自然も豊かで、子育てしやすいまちとして知られている。 特に2005年の「つくばエクスプレス」の開通以降、子育て世代を中心に人口が増加中。 市も子育て環境の整備に積極的に取り組んでおり、保育施設の拡充や、全国でも数少ない「駅前送迎保育ステーション」といった共働き世帯をサポートする環境が整っている。 また、西に江戸川、北には利根運河が流れ、緑豊かな水景が楽しめるほか、公園や森も300か所以上あり、自然と一緒に生活ができるまちでもある。

人口増加で建設ラッシュが進む流山市

流山市は千葉県北西部に位置し、都心へのアクセスのよさに加え、自然環境を生かした快適な住環境の開発などにより、「住みやすいまち」として人気を博し、この10年で4万人増となるなど、一貫して人口増加を続けている。 また、働き盛りの年齢層の流入により、戸建て、マンションなどが増加しており、それに伴い、店舗や大型倉庫など様々な建築物も次々に建てられている。 このような背景もあり、市役所では資産税に関わる業務も輻輳してきた。

手作業で繁忙を極める家屋評価事務

土地開発が進む中、流山市役所資産税課では、増え続ける家屋評価事務に多忙を極めていた。

居宅・店舗・大型倉庫などの建設による建築資材の多様化や構造の複雑化による評価業務の難しさ。 人事異動サイクルの短縮化による職員の知識・経験不足。 何よりも、膨大な評価物件を、平成初期に職員が開発したエクセルシートを標準評点数や補正係数など評価替え毎に更新をかけながら使い、手作業で処理していたという効率の悪さも手伝い、ある年では年間1600件の評価物件に対し、2人ペアで年間400件、上長は1600件すべてをチェックするといった状況で、残業も月60〜80時間という多忙さが常態となっていた。 エクセルシートも用途別に分散しその数も膨大となり、フォルダにシートが散乱するだけでなく、シートに不具合が発生すればエクセルに精通した職員にしか修復できないという不便さもあったという。

そのため平成28年頃、システムの導入を検討したが、費用対効果などが十分に検証されなかったことから導入は見送られた。 そうした中、令和3年に分譲マンションに課税誤りが発生、人的エラーの防止が急務に。 このため評価事務の省力化と一連の評価事務管理を一元化する必要性が高まり、システム導入に向け本格的に動くことになる。 そこで資産税課が選んだのが、NTT-ATエムタック株式会社が提供する「HOUSAS(ハウサス)」という家屋評価システムだった。

システム導入で業務の正確性・効率性が飛躍的に向上

千葉県流山市資産税課の遠藤圭課長補佐
千葉県流山市資産税課の遠藤圭課長補佐

HOUSASは、家屋評価事務のプロセスを一元化し、固定資産評価基準に基づく評価計算の自動化を実現させたシステム。 自治体ごとの固有の評価方法にも対応でき、複雑な図面でも簡単に作図できる機能や過年度の評価計算を行える機能も備えている。 機能の組み合わせによって、家屋の最新データの一括登録・蓄積による検索性の向上、台帳入力の効率化、住民との家屋調査のための訪問日程調整機能の実装などにより、家屋評価に関わるあらゆる業務を一気通貫で解決させようとするものであり、全国700を超える自治体が採用するトップシェアのシステムだ。

流山市では、令和5年の導入から、その業務は大幅に効率化された。 令和6年度の評価替えに向けた評点数の入れ替え作業が不要になり、これまで個別にあった評価依頼一覧データ、依頼文書データ、予約管理データなどが一元的に管理できるようになった。 また、これまで手書き図面から電卓ではじいていた施工量計算もシステム上で自動化。さらに市独自の比準評価についてもシステム上での計算・管理ができるようになった。 非木造家屋の評価計算についても、各部屋面積や施工資材の使用量の手計算、仕上げ素材、建具表の入力などを担当職員がエクセルシートに入力していたが、評価システムで作図するだけで算出が可能になった。 評価データの自動バックアップ機能もあり、データ管理も安全なものとなった。

遠藤圭課長補佐は、「進捗管理がやりやすくなったこと以上に、本市における業務の電子化が推進されたことや、データの一元化によって自治体システムの標準化への事前の対応が図れたことも大きい」と言う。

HOUSASは自治体のDXを推進する役割も果たしたようだ。

多角的な視点からシステムを採用

ここで流山市がHOUSASを導入した経緯についてみてみよう。 令和6年度の評価替えに間に合わせるため、同市では前年度までのシステム導入を目指していた。 しかし、これが市の総合計画に位置付けられていなかったこと、前回の導入が事前審査で不採用となったことから、特段の説得材料が必要であった。

そこで、人口増などによる評価家屋の増加や税収面での見通しなどを踏まえ、業務の効率化や合理化のためのシステム導入の必要性を説明するとともに、今後の対象件数の増加や新たな償却資産課税事務への対応などから、人員を確保することも見据えつつ、所有権移転や評価事務の正確性の向上など評価事務以外の業務改善を訴え、財政局、市長とヒアリングを重ね、予算計上にこぎつけたという。

システム選定に当たっては、プロポーザル方式を採り、内容重視とした。その中で傑出していたのがNTT-ATエムタックのHOUSASだったという。

「デモを見て、操作性・機能性が高く、業務プロセスに即した分かりやすさも感じました」と遠藤課長補佐はシステムに触れた手応えを振り返る。 こうした、評価計算に要するスピードの短縮化や評価の平準化の実現により、資産税課の職員たちはエクセルと電卓から解放され働き方も大きく変わることとなった。

寄り添うサポートに利点

NTT-ATエムタックによるサポートも魅力の一つという。 係数の端数処理などの細かい設定にも迅速に対応するなどシステム設計についてのサポートや、他市で対応してきた経験を踏まえての提案などのほか、新任職員向けの操作研修会を行ったり、問題が起きた時など職員と同じ画面をもとに説明してもらうなど、“寄り添うサポート”を同社では行っている。

システム活用でスキルアップも実現

このシステムの導入によって、職員にも変化が起きてきているようだ。

「(HOUSASには)評価に必要な項目が予め分かるようになっているので、現地でどのような数値をとってくればいいか理解できるようになってきました。評価調書の見方や仕組みが分かり、評価業務のスキルが上がったように思います」と言うのは森賀奈生係長。 遠藤課長補佐も、「図面の読解力が上がったようです。細かい部分にも目が届くようになり、図面を見てどのような項目が必要なのかの判断力が上がっていると思います」と導入効果を語る。 さらには、「どの担当者がどこまで評価が終わっているかが視覚的に分かるので管理職としてのマネジメントにも役立っています」と言う。 山田大輔課長補佐も「新人や異動者が即戦力になれることがメリット」と語ってくれた。

今、各自治体では職員数の減少やDXへの対応が課題となっている。 そうした中、業務の効率化のみならず、マネジメントや人材育成に資するシステムが求められているようだ。

左から千葉県流山市資産税課の森賀奈生係長、遠藤圭課長補佐、山田大輔課長補佐
左から千葉県流山市資産税課の森賀奈生係長、
遠藤圭課長補佐、山田大輔課長補佐

※出展:月刊「税」2025年8月号(ぎょうせい社) 特集「固定資産税業務における業務改善のイマ」

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